サスペンション交換時の ご注意点

たまに、バネを交換したのに、思ったより車高が下がらないとか、
リアの車高が左右で、結構差が有るとか、耳にします。


多くの原因は、以下に説明する手順を行っていない事が多いです。

ジャッキアップをして、ロアアーム等のネジを外したり、緩めたりして
バネを交換するわけですが、バネを交換した後、外した、もしくは緩めたナットを
そのままの状態で締めてしまう方が多くいます。

個人の方が、バネ交換をされる場合、気にもしない事も有るでしょう。
民間の整備工場の方も、手早く終わらせる為にそのように済ます方もいるでしょう

しかし、ここに重要な問題点が有ります。




上は、ゴルフ5に、ビルシュタインのサスキットを装着した車両ですが、
ジャッキアップして、タイヤが浮いている状態のロアアームは、この角度です。 フロント側




次に、台の上に車両を載せた いわゆる1G 車重のかかった状態がこの角度になります。
矢印の部分のブッシュを一旦緩めて、締め直しします。
ここにゴムブッシュが入っているので、1Gの自然な状態にしておかないと
ねじれが生じて、車高が落ちない事が良く有る訳です。

この車両は、ショートストロークのショックを装着している為に、1枚目の画像とは、
あまりアームの角度に差が無い様に見えますが、ノーマルショックですと、結構な差が有ります。




次に同じ車両のリア側です。タイヤが浮いている状態の角度



こちらが、車重のかかった 1G 台の上の角度です。他のパーツとの位置関係を見ると
結構角度が変っている事が分ると思います。

ロアアームの根元だけのお話を書きましたが、ダウンサスを組む事により、
アーム類がノーマルと大きく角度が変って、ブッシュがねじれる可能性の有る場所は
一旦緩めて、締め直しするべきです。

今回は、ロアアームの説明画像を作りましたが、フロントのアッパーアームの有る車両については、
これ以上に影響は大きいです。例えば、ロードスターのようなAアームが有る車両は必須です。影響大



当社では、ロードスター S2000 など複雑なクルマは、特殊な工具を使って 1G を再現して締めています。



必要に応じて、1G状態を作って締め直しする事は必須作業と言えます。








クルマを載せる台なんて無いと言う場合でも、ガレージジャッキをアームにかけて
1Gに近い角度を再現できれば、そこで締め直しするだけでOKです。

ダウンサスとは、ノーマルよりも短いのが当たり前なので、各アームも角度が変るのは当然。
だから、その時に、各ブッシュにねじれがかからないように組み上げしましょう。

でも、現実には、量販店をはじめ、普通のカーショップでは、これを怠っているお店が多いです。
取付店から、落ちないと苦情の電話がかかってきて、この説明すると、
そんな事には、時間をかけられ無いと言うお店が有るから信じられない。
また、これをお客さんに説明して、取付店に再依頼をすると、別料金と言われたりする。

アライメントテスターを持っているようなお店なら、もちろん理解している事ですが、
パーツを持込するなら、事前に話しを聞いて、知識が有りそうなところに持込しましょう。