作業記録 特別編 レガシィ BP/BL
なぜか、レガシィ BP/BLの足回りについて お問い合わせが多い為に、ここに資料ページを作りました。
どこを交換されるか 検討される参考にして下さい。 とりあえず即席で作りましたので、内容は充実していません。
当社では、 スバル車に、特に力を入れている訳では有りませんが、 レガシィツーリングワゴン BP5 及び セダン BL5に ビルシュタイン B6ショックの装着をご希望されるお客様が多いです。 あの頃のスバル車が良かったと思うのは私共も同感です。 純正品のビルシュタインより、市販品のビルシュタインの方が 快適性は高く乗り心地は良い印象です。 |
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レガシィのショックを交換する場合、フロントロアームの ブッシュを同時に交換される方がとても多いです。 このようにプレスを使って、ブッシュを打ち換えします。 ご依頼が多い為に、使用する専用工具は、充実しています。 |
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ここが一番問題の場所 フロントロアアームの後ろ側ブッシュです。 距離が進むと大抵はこんな状態になっています。 ゴムがひび割れしてボロボロに。 こうなると、きっちりアライメントを調整しても意味が有りません。 フロントトーは、ブレーキを踏む度に、大きく開き タイヤは内減りしますし、ハンドリングに大きな影響が出ます。 |
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こんな状態になっている事もよく有ります。 ブッシュが完全に分離しています。 段差を乗り越えると違和感を感じるのは当然です。 |
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中古ブッシュの拡大画像です。 下の2個がロアアームブッシュです。 大きな亀裂が入っていますね。 こうなると、ハンドリングは、フラフラに きびきびしたレスポンスが無くなります。 余談ですが、トヨタ 86 ZN6 BRZ ZC6 も BP5/BL5系と同じブッシュを使っているようです。 |
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ブッシュ交換後のフロントロアアームです。 接続点 3点ともに交換するのが理想的ですが、 節約するなら、後ろ側の大きなゴムブツシュだけで良いと思います。 使用距離にもよりますが、他の2点はそれほど悪くはなって無いです。 ブレーキング時に、振動を感じる場合は、このロアアーム ブッシュ類の劣化が予想されます。 |
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ご予算に余裕が有れば、 リアのアーム類のブッシュ交換も検討したいところです。 下の価格を見ていただくと、パーツ単品はとても安いのですが 作業は結構な手間なので、交換費用は高くなります。 |
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リアの各アーム類は一旦外して、 プレス機を使って、ブッシュを打ち換えします。 プレス作業は、経験も増えましたから、作業はさくさく進みます。 |
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リアトレーディングアーム前側ブッシュ交換です。 この部分の交換効果は大きいと思いますが、アーム類を 車両から外すと、難易度はかなり高くなる為に、出来るだけ 車両から外さずに、空中で圧入交換するようにしています。 |
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ショック交換に関する消耗品を並べてみました。 右側の金属類は、お客様が持ち込みされたパーツです。 ボルト類は、錆びていなければ、こんなに変えなくて良いと思います。 雪国の方は、交換される事をお勧めします。 STI製のアーム 4本 に交換される方もいます。 43000円ほどです。 |
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ここまでパーツの移植を希望された方もいました。 スチール製のグレードに、アルミ製のアームを移植しました。 GT系は、アルミ製。 通常グレードとアウトバックはスチール製なのでしょうか。 この作業は、要加工です。すんなりとはいきません。 ブッシュの圧入交換は、アルミ製アームの方が 錆びてない分、比較的容易です。 |
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足回りを交換する際に、ドライブシャフトのインナーブーツが 破れているクルマをたまに見かけます。 エンジンルームはドロドロに。 もちろん車検は通りません。 この部分のブーツ交換も可能ですが、事前にパーツを 準備する必要が有ります。 |
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やはり、きれいにして乗りたいですよね。 足回りをご相談される前に、グリスでドロドロになっていないか 見た方が無難です。 |
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エンジンマウント、ミッションマウントの交換も出来ます。 エキマニを一旦外して作業します。 |
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リアデフ、クロスメンバーを下ろして デフマウントブッシュの交換作業をしているところ。 このタイミングなら、リジカラを装着するのも簡単ですね。 |
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フロントアッパーをSTI製にしたセット内容です。 実は、価格は同等なので、これは良いのかもしれません。 もちろんご予算の関係で、KYB ニューSRショックを 選ばれる方もいます。 同じ内容で、ブッシュまで交換した場合として、KYBの方が 乗り心地にカドが有ると思います。 ビルシュタインの方が、しっとりした乗り味と思います。 (純正ビルシュタインの印象は違いますよ。) |
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こちらは、アウトバック BP9用 ビルシュタイン BTSキットに、標準的な交換パーツを 含んだ画像です。 このくらいで、純正パーツ代金は、¥33220-です。 前後のアッパー類だけなら、¥20420-です。 |
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こちらは、BP5 ビルシュタイン B6ショックに STIのスプリングと組み合わせしました。 |
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こちらは、エナペタル製 BP5ターボ 特注ビルシュタインに トーハツ スポルトマッキ スプリングを組合わせしました。 |
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こちらは、エナペタル製 BPE 3.0 特注ビルシュタインに おすすめの消耗品を組合わせしました。 無駄の無いよう事前にご来店頂いて、消耗品を選びました。 |
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こちらは、お客様が持ち込みされた中古品 ビルシュタイン BTSキットに 当社でご用意したアッパー等、標準的な交換パーツを 含んだ画像です。 持ち込みOKですから、中古パーツを手に入れた方も 遠慮無くご相談ください。 |
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こちらは、貴重なSTI製の純正ショックを エナペタルさんでOHした後に、当社で消耗品をご用意して 取り付けしたケースです。 エナペタルさんには、とても仲良くして頂いております。 安心してご相談下さい。 |
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KYB ニューSRスペシャル ショックにした内容です。 前後のアッパーマウント関係と 普段よく交換するフロントロアアームブッシュ類を ご用意して、ドライブシャフトブーツも片側ご用意しています。 同じ内容のビルシュタインショックと比較すると、 ゴトゴト感と言うか、微振動と言うか、路面のザラツキを感じます。 でも資金を節約する為には、良い選択だと思います。 国産の安心感も有りますし、寿命も長そうです。 |
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上の画像との違いは、 こちらは、純正ビルシュタイン車用の KYB ニューSRスペシャル ショック セットです。 フロントショックは、バンプラバーとダストブーツが付属していて ビルシュタイン車に合わせてセッティングして有ります。 純正ビルシュタインのような硬めの乗り味です。 |
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アウトバック BPE に KYB ニューSRスペシャル ショックにした内容です。 リアはレベライザーに対応した商品となります。 前後のアッパーマウント関係と フロントロアアームブッシュ類をご用意しています。 |
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モンロー オリジナル ショックにした内容です。 前後のアッパーマウント関係と フロントのロアアーム関係 3点と リアのアーム関係のブッシュ類も全て交換する内容です。 ここまで交換できると足回りは、ほぼ完璧です。 モンローは、全体的によく減衰力が効いて引き締まる印象です。 |
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こちらは、エンジンマウント ミッションマウント リアのアーム類は、STI製をご用意して フロント リアのブッシュ類は全て交換 前後のスタビリンク、スタビブッシュも交換 フロントドライブシャフトブーツインナー側も交換した場合です。 |
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レガシィ セダン BL5 に全てのパーツを ご用意するとこんな感じの量になります。 当社としては、降雪地域の方は、全てのボルトナットの交換を お勧めしますが、節約されたい方は、出来るだけ 節約されて良いと考えています。 ご相談に乗ります。 |
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こちらは、ツーリング BP9 STI S402 に ビルシュタイン ターボ専用ショック (通常販売はしていない) STIスプリングからブッシュ類、エンジンマウント デフマウントまでの一式をご用意したケースです。 |
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最近では、リアクロスメンバーごとの交換を 希望される方も、たまにおられます。 デフマウントブッシュだけを交換するよりも 費用対効果の点では良いのかもしれませんね。 |
BP/BLレガシィのビルシュタイン フロントショック トップボルトが折れるのは、過去とても多く聞きました。 ディーラーさんで作業されても、個人の方が付けられても。 当社では、おそらく過去100台くらい装着していますが、 折れた経験は一度も有りませんでした。 ところが、2023年に初めて当社で付けた車両が、 1年位経過してから、折れた現象が発生しました。 そこで原因を色々考えてみました。 |
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こちらが問題のトップボルト部 中古ショックの画像です。 ピルシュタインの場合、ボルト径は、12mm ですが、その下に 10mm までくびれています。 ここのクビレが折れる場所です。 形状から分かる事は、メーカー側スバルの設計は、 意図的に折れやすく作っていると思います。 事故した時に、強い力がかかると折れて、衝撃を減らす クラッシャプルゾーンのような位置づけでしょう。 エンジンルームは簡単に壊れて、キャビンは守るってやつです。 エンジンの揺れを止めているステーがプラスチックな事も同じ理由でしょうね。 |
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どのくらいの力で折れるのか? 中古ショックを使って実験しました。 アッパーを仮組して、トップナットを締める。 ビルシュタインの説明書には、車種を限らず、12mm は、45Nm の指示 スバルの整備書では、70Nm ですが、それ以上で締めてみました。 |
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硬く締まったところを無視して、さらに締め続けると 100Nmくらいで、どこまでも締まり始める。 クビレが伸びていると判断して、外してみると、やはり少し伸びている。 |
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その後、200Nmかけても回り続けるけどボルトは折れない。 さらにそれ以上締めたけど、ナットのネジ山がダメになるだけでした。 延々と回り続けるけど、ボルトは引きちぎれない。 何とか折りたいので、その状態で、大きなハンマーを使って トップボルトを20回以上叩いたけど、全く折れない。 金属疲労させようと、向きを変えて何度も叩いても折れない。 ここまで変形しても、最終的にも折れませんでした。 叩いた結果クビレがさらに伸びて、アッパーの固定に大きなガタは出た。 |
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右、ビルシュタイン ボルト 12mm クビレ有り クビレ部 10mm 左、KYB ニューSR ボルト 14mm クビレ無し 両メーカーともに、その下の径は、15mm アッパーマウントの内径は、15mm だから、硬く締めるなら KYB のように 14mm にすれば良いのにと思います。 エナペタルさんもレガシィは折れるから 14mm が良いと言ってました。 KYBは、事故した時に、簡単に折れず、それが良いのかは 判断できませんが、単純に簡単に折れる事は無いでしょうね。 |
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結論としては、この折れ方は、ナットが緩んだか、強い力が 左右からかかって、クビレが少し伸びて トップナットを支点に、ショックが前後左右に振動する事によって 金属疲労で折れたと思います。 ここに一番力のかかることは、ハンドルの切れ角が大きい動作 スエギリ駐車とかだと思います。 心当たりのある方は、クビレが伸びてガタが出る事も有ると考えて、 定期的にきっちり締まっているかの 確認と増し締めが必要なのかもしれません。 余談、フロントショックのトップナットが折れると言われるクルマは、 1番 レガシィ BP/BL、2番 インテグラ DC5 らしいです。 |